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SLA vs DLP 2つの光造形3Dプリント技術の比較

March 12, 2017


今回は同じ光造形方式の中でもSLA方式とDLP方式について、各技術と造形物の違いを整理し、どういったシチュエーションでどちらを選択すべきなのかを解説します。
 
※原文:https://formlabs.com/blog/3d-printing-technology-comparison-sla-dlp/
 

 
Form2は光造形方式の3Dプリンターですが、光造形方式の中でもSLA方式を採用しています。

レーザーベースのステレオリソグラフィ(SLA)技術とデジタル・ライト・プロセッシング(DLP)の2方式が代表的ですが、この2つは紫外線重合レジンに紫外線を当てて造形するという点で同じ光造形に分類されていますが、造形物及びその過程には大きな違いが出てきます。
 
各3Dプリントの方式を理解し選択できるようになることで、最終的な目的に合わせて各マシンの特性を最大限に引き出しつつ効果的なプロトタイプを行うことができるようになります。
「ステレオリソグラフィー」はギリシャ語固体を意味する単語「ステレオ」と光で書き込むという意味を持つ「(フォト)リソグラフィー」からきています。ですので3DプリントのSLA方式というのはまさにそのままの意味で、「光で固体を描く」ことを指しており、光硬化樹脂に光をあて1層づつ固体にしていきます。
 
定義上はSLAとDLPは両方共ステレオリソグラフィー、つまり光で固体を描くということに変わりはないのですが、SLAはレーザーを走査することで各レイヤーを描画し、DLPは平面画像として各レイヤーを投影するという全く違うことをしています。
では、この違いが何を生むのか早速見ていきたいと思います。
 
 


レーザーベースのSLAとDLP
 
最初に改めてSLAとDLPそれぞれがどのように造形しているのかを確認したいと思います。業界用語を真似てここではレーザー式SLAを単に"SLA”と呼ぶことにします。
機械の構造はSLA、DLPどちらも同じで光硬化性樹脂を選択的に硬化させ各レイヤーの薄い固体層を形成するためにバットに広げています。
 

 

 

画像のように上にあるプラットフォームを下におろしこのバットとプラットフォームの間に光硬化性樹脂の薄い液層をつくり、そこに光を当てることで固体層を形成します。この時点では先程も申し上げたとおりステレオリソグラフィー方式としてなんら2方式の間に違いがありません。この光のあてかたに違いがあるのです。
 
※訳注 ここでは出てきていませんが、これは一般的に吊り下げ式と言われている制限液面方式の話をしています。実際には自由液面方式という別の方式も存在しますが非常に大型な業務用機器でしか現状使われていない方式です。詳しく理解されたい方はこちらの文献を御覧ください。参考文献:3Dプリンターとその応用、特に光造形を中心に 東京工業大学大学院理工学研究科 萩原恒夫 http://www.thagiwara.jp/rp-resin/pdf/Light_Contact2014.8.pdf
 
SLA方式は検流計(ガルバノメーター)若しくはガルボモーターとして知られる2つのモーターでミラーを制御します。一つはX軸、もう一つはY軸を走査するために使いレーザー光線を高速に走査させ、各レイヤーの形状に硬化させます。
 
DLPはSLAのようにレーザー光線を走査させるのではなく会議室にあるプロジェクターと同じ原理で一度に各層を画像として投影します。
プロジェクタはデジタル画面なので下の画像の様に各層の画像はボクセルと呼ばれる小さな正方形のピクセルによって構成されます。
 

 
このようにそもそも造形の際に利用される断面の形状自体が違うので、例えば積層ピッチ25μmといった単純なスペックの数値で3Dプリンターの性能を比較するのは難しいことがわかります。
 

SLAとDLPのスピードとプリントサイズ

 

DLP方式では一度に各層全体の画像を投影できるため、レーザーを走査させる必要があるSLAに比べて一定の条件下で高速にプリントすることが可能になります。
 
DLP方式で高速にできるシチュエーションは以下の2つです。
 
1つは造形範囲一杯の大きなパーツを印刷する場合です。若しくは造形範囲いっぱいに高密度でパーツを配置した場合はレーザーで走査するよりも早くプリントすることが出来ます。
 
もう1つこれは機種によりますが、小さいパーツを1つ2つプリントする際にプロジェクターのレンズを交換し造形範囲をあえて小さくすることで光量子束密度を高くし造形を早くすることができる場合が有ります。
 
大きなパーツのときも小さなパーツを高密度に配置したときでも速度はSLAと比較して早いのですが、DLPの場合造形範囲の広さと解像度及び表面の粗さがトレード・オフの関係になっています。
例として、とても複雑な構造の指輪を一つプリントするとなると、DLP方式の場合光を絞ることで高速にプリントすることができます。
しかしながら、下の写真のように全面にたくさんのリングをプリントしようとすると、1つのときと同じような高解像度でプリントすることはできません。
 

 

 
 
造形範囲に関係なく一貫して高解像度のプリントが求められる場合はSLA方式の3Dプリンターにする必要があります。
 
DLPの解像度はプロジェクターに依存します。プロジェクターの解像度はピクセル/ボクセルによって定義され、例えばフルHD/1080pといったように表記されます。
DLP方式3Dプリンターのプロジェクターは所定の分解能(例えば1080p)を達成するためには画像サイズを小さくしていきます。
高解像度を達成するために画像全体を縮小、造形可能範囲を小さくすることで実現するためDLP方式で造形範囲全体を活かした造形をするためにはその分画像を拡大するので荒い造形になります。

SLA方式の場合、解像度と造形可能範囲は完全に独立しています。そのため、任意の造形範囲、任意の造形場所で任意の解像度を出すことが出来ます。"
 
 


表面粗さ:ボクセルとレイヤーラインの違い

 

3Dプリントは薄いレイヤーを積層して作られているため、しばしば積層痕と呼ばれる水平線の層のエッジが見える場合があります。
DLPは矩形のボクセルを利用してレイヤーごとの画像を生成するため、水平方向垂直方向両方にその影響が出てきます。下の写真、特に拡大された積層痕に注目して下さい。DLP方式の積層痕には碁盤の目が見えると思います。
 

 

 

 

矩形によって構成されているので各レイヤー画像の湾曲した部分に影響が出てきます。
これはZ軸方向,X-Y方向どちらも丸い形を構築するときに現れてきます。
 
 
あなたのワークフローにどちらの技術が最適なのか、どの3Dプリンティングソリューションを選択すべきなのかの判断は、技術と結果を整理したあとのほうがずっと簡単です。
今回の場合は最終的にあなたが必要としている造形物のサイズ・複雑さ、また表面粗さを理解することが重要です。
 

最後短くSLAとDLPどちらにどのようなシチュエーションが適しているかというと:
 


SLA
細かく小さい複雑なパーツをたくさん一度に造形したいとき 
or
一定以上の大きさのパーツを高解像度で造形したいとき

DLP
とても複雑な小さいパーツをひとつだけ造形したいとき
or
それほど解像度を求めない大きいパーツを早く造形したいとき
 

 

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