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【IDS2019 REPORT Vol.2】 - 新方式を活用した大型3Dプリンターの登場

IDS2019がドイツ、ケルンにて3月12日から16日の日程で開催されました。 

 

 

 

◆ IDSとは

IDSはInternational Dental Show の略で歯科業界で商業的にも最も影響力があると言われる、世界最大の歯科専門国際見本市です。

 

 

 

今回横糸電歯技研からも2人現地に行ってきました。 

 

前回2017年のIDSにも参加しているため、その時との違いを中心にレポートを何本か書かせていただければと思います。 

 

レポート第2回目の今回は、新方式を活用した大型3Dプリンターの登場について書かせていただきます。 

 

 

前回の記事はこちら

 

 

【IDS2019 REPORT Vol.1】 - 展示から見る、普及期に入った3Dプリンター

 

 

 

 

新方式、LCD方式3Dプリンターの登場

 

 

今回は少しマニアックな話になりますが、前回のIDS2017では見られなかった新たな方式「LCD方式」による3Dプリンターのお話ができればと思います。 

 

 

LCDとは、簡単にいうとDLPやSLAと違い直接ベッド面に近いところに液晶テレビを貼り付けたようなものです。以前から液晶ディスプレイの光を利用して光学造形をしようという発想自体はありました。一番わかりやすい例がOLO 3Dプリンターと言われるスマートフォンのディスプレイを利用して光造形を行おうという製品です。

 


ex.OLO 3Dプリンター 
 

 

ではなぜ、今までなかったのか。

特許関係の話もありますし諸説ありますが、LCDはDLPやSLAに比べて圧倒的に光の持つエネルギーが小さく、うまく造形するには、材料側を固まりやすくする必要が出てきます。 しかし、材料を固まりやすくしてしまうと、狙った部分以外に漏れ出た光で、不必要に材料が固まってしまい、造形の寸法精度が悪くなってしまいがちです。

 

 

他の2方式に比べて、光が弱い上に光の指向性も弱いため、この寸法精度と固まりやすさのバランスが非常に難しく、材料にまで踏み込んで開発を行わなければならないという点が、LCD方式開発のネックでした。 

 


近年、ある程度LCD方式で使える材料が材料メーカーから出始めたことで、一気にLCD方式を利用した、小型で低コストな3Dプリンターが出てきたというわけです。

 

 

 - 写真はFlashForge社のLCD方式3Dプリンター

 

 

 

LCD方式のメリットとデメリット  
 


LCD方式の一番のメリットは、機構が簡単になることにより、大幅なコストダウンが図れるという点です。光学系を使用せず、パーツはLCD本体のみと、非常にシンプルな作りのためですが、結果として故障する要因もかなり減らすことができるのではないでしょうか。

 


もう一つのメリットは造形速度の速さです。一度に断面映像を投影することができるため、DLPと同じくらい早く造形することができます。(DLPの技術解説についてはこちら) 

 
デメリットは他方式と比較すると、どうしても寸法精度が悪い傾向にあるということです。前述した通り材料を固まりやすくしているため、比較的余計な部分が固まってしまいやすい設計と言えます。 

 


またこれはDLPも同じ欠点を持ちますが、SLAと比較した場合解像度がLCDの解像度に依存する上、投影を「ピクセル」で行うため、輪郭部の造形にジャギーが出てしまい、表面の滑らかさが劣るなども考えられます。



LCDをベッド面に貼り付けする精度によって仕上がりが決まってしまうため、製造技術的な観点からは大きな課題が残っている技術とも言えます。これにより、大型機になってくると方式の簡易さの割に、まだまだ高額となる場合もあります。

 


大型3Dプリンターの実現 

 


しかしながら、上記のようなデメリットがあったとしても、大型機に利用した場合には、補って余りあるほどのメリットをもたらします。
 


今までの光造形方式2つでは、大きな造形可能範囲を持つ機体を作るのは非常に難しいことでした。DLPはレンズで投影範囲を広げるため、大きくすればするほど、2乗に反比例して光が弱くなってしまいます。また、SLAの場合も広範囲をレーザーで動かそうとすると、光源と造形面の距離が離れてしまうため、ガルバノメーターの解像度をかなり上げる必要があるという問題がありました。DWS社はこの点を複数のガルバノメーターを搭載することで解決していましたが、やはり光学系の精度・二つ搭載するということで非常に高額な機体になってしまっていました。 

 

一方LCD方式はすでに世の中に溢れている大型液晶ディスプレイのパーツを流用するだけで、大型のものが作れてしまうのです。 

高解像度で大型のパネルの開発はすでに済んでいる上、製造設備、量産技術、生産量共にそれなりのものが確保されています。 

ガラス液晶基盤さえ手に入れて、少しの改造と調整を加えれば広大な造形範囲を持つ3Dプリンターを作れてしまうというのは、かなり大きなメリットでしょう。 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEGO社は今回大型のLCD方式3Dプリンターのほか、小型のものも展示しており、機構の簡単さというメリットと、大型機の製作に向いているという両方のメリットを生かした機体を紹介していました。 

前述したデメリットである、材料の固まりやすさと寸法精度のバランスの問題、LCDの製造上の課題が今後どのように解決され、このLCD方式が発展していくのか非常に楽しみになる展示会でした。 

 

 

 

Photo Gallery

 

 

レポートの続編は近日公開予定です。

 

 

 

 

 

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